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1910、20、30、40年代の名香たち


香水は香りとともに、その美しいボトルデザインも時代によって変化しています。
このページでは、1910、20、30、40年代の名香たちの美しすぎるボトルデザインを紹介します。

MITSUKO~ミツコ (ゲラン 1919年)

小説・「ラ・バタイユ」のヒロインとして登場する、「ミツコ」をイメージして創られたと言われている名香。

小説内では、日本軍人の妻「ミツコ」とイギリス人将校の情熱的な不倫が描かれているが、ボトルのデザインも、それに関連つけられるような軍服姿のトルソーを感じさせるデザイン。ボトルキャップも、「逆ハート型」とされているが、軍人の帽子を十分に連想させる。肩の部分の丸みも美しいが、ボトルの首元から流れるタッセルも非常に美しい。

まさに、「香水の中の香水」と呼ばれるに相応しいものだと思います。

CHANEL N°5~シャネル N°5 (シャネル 1921年)

上の「Mitsuko」からも想像できますが、この時代の香水ボトルはどれも装飾されたものが非常に多い。そんな中、このシャネルN°5は、なんの装飾もなく本当にシンプルなデザインになっています。ラベルも白地に黒文字、ボトルの形も四角形と、本当にそっけないと言うほどにシンプル。しかし、このシンプルさが、逆にモダンな印象を与え、また、時代が移り変わっても色褪せないボトルデザインになっているのだと思います。


SHALIMAR~シャリマー (ゲラン 1925年)

シャリマーとは、サンスクリット語で「愛の殿堂」。インド・ムガール王朝、タージ・マハル宮殿の庭の事です。タージ・マハルは、皇帝シャー・ジャハンが妻のムムタージ・マハルの為に作らせた墓標。ジャック・ゲランは、この美しい愛の物語に感銘を受け、シャリマーを生み出したと言われています。

シャリマーのボトルデザインは、このムガール王朝時のストゥーバ(日本では卒塔婆とも言われる)という、仏の遺骨を収めた墓がモチーフにされています。そのボトルシェイプに、ゲラン家の銀製品からヒントを得た、ブルーのキャップが加えられ、得も言われぬ美しいボトルデザインになっているのです。

ARPEGE~アルページュ (ランバン 1927年)

ランバンといえば、アルページュと言われるくらい有名で高貴な名香。アルページュとは和音と訳され、その香りは本当に和音が旋律するかのような美しさなのが大きな特徴ですね。

アルページュのボトルデザインの最大の特徴は、その漆黒に輝く球体のボトル。そこに、アールデコ調の、「黄金のラズベリー」呼ばれる金色のキャップが加えられ高貴な雰囲気を漂わせています。また、アルページュは、ジャンヌ・ランバンが愛娘・マリー・ブランシュの為に作ったと言われていて、その為に、ボトルにはジャンヌと娘のシルエットの母娘シルエットがプリントされています。

JOY~ジョイ (ジャン パトゥ 1930年)

三島由紀夫の小説「美徳のよろめき」で「常用の香水、ジャン・パトゥのジョイをつける」と言う一節でも登場するジョイ。1930年代を代表する名香の一つです。

そのボトルデザインは、アールデコ建築で有名な建築家・ルイ・ストゥーによって創作され、黄金比率に則った形状になっています。さらには、ボトルキャップも非常に華麗で、ネックの部分には金色の紐で結ばれています。

MISS DIOR~ミス ディオール (ディオール 1947年)

フランス至宝クリスチャン・ディオールの傑作の一つ。現在でも、ニューバジョンが発表されるなど、発売された1947年から変わらず人気のロングセラーの名香になっています。

驚く事に、このミス・ディオールは発売当初、バカラ社製のクチュールボトルが使われていましたが、量産出来ないという理由で現在のボトルへと変更されています。もしも、そのバカラ社製のミスディオールがあれば相当の価値のものでしょう。

このミスディオールのボトルは、つや消しされたクリスタルに千鳥格子柄を型押ししたものになり、ミスディオールの香りが持つ温かみを表しています。

L`AIR DU TEMPS~レール デュタン (ニナ リッチ 1948年)

今もなお、抜群の売れ行きを見せるこのレールデュタンですが、本当にこのニナリッチを担っている名香といっても過言ではありません。その香りは百以上の香料がブレンドされているにも関わらず非常にシンプルで、時間に左右される事のない香りになっています。そのタイムレスなレールデュタンの香りが第二次世界大戦という暴力に満ちた時代から決別する、人類平和の象徴とされています。

ボトルのデザインにも、その平和の象徴が用いられていて、ボトルキャップには愛を交わす二羽の鳩が飛び交っています。クリスタルボトルも、曲線が渦巻くように優美なものになっていて、デザイン性にもかなり優れていると言えるでしょう。

参考文献:榎本雄作氏 香水の教科書2

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